横手盆地の有機質土、泥炭層の分布
(R2年8月追記) |
泥炭は葦(あし)などの植物が何千年何万年も地中に埋もれて、繊維質のみが残り、スポンジ状をしているものです。
横手市大雄では山がないため薪(まき)が採れず、昔は泥炭を露天掘りして乾燥し、「ねっこ」と呼んで燃料として使用していました。 今から200年程前の紀行家、菅江真澄の書物の中にも「ねっこ」のことが書かれているそうです。 泥炭層の成因: 湿地帯の土壌は水で満たされており、酸素が少なく微生物がいないため植物は分解しません。未分解の植物が毎年積もって厚い堆積層を形成しました。 〔注〕左図の 黒線が深度10m以浅の分布域 青線が深度10〜20mの分布域 赤線が深度20m〜の分布域 (深度が深くなるに従いデ−タ数が少なくなる事に注意) 泥炭、有機質土をC14年代測定法で分析すれば、その層が何年前に堆積したかが分かります。鉛直方向の2箇所で分析すれば堆積速度(沈降速度)が分かります。 横手盆地の堆積速度を示す例として、下表に示す資料があります。 |
根田川地区の泥炭層・有機質土の年代測定結果
試料番号 | 泥炭層深度(m) | 試験試料深度(m) | 測定結果(年前) |
@ | 3.2〜6.9 | 4.7〜4.8 | 23020±630 |
A | 8.2〜8.7 | 8.5〜8.6 | 31840±1450 |
B | 12.5〜14.8 | 13.8〜13.9 | 32280±1540 |
表中の測定結果は何年前に堆積したかを示しています。だいたい2,3万年前の氷河期に堆積しています。
表の@とBの間では平均約1mm/年の堆積速度を示しております。
泥炭がここに集中していることは、この部分が最近まで湿地帯であったことを示しています。 |
この泥炭等高線は「横手盆地の地盤(その1)−盆地形成ものがたり−:全地連「技術フォ−ラム'96’」講演集 1996 から掲載しております |
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